というわけで、なんだか6月もあと一週間で終わるね。
寒いシドニー。
胡蝶蘭のつぼみ、今日現在こんな感じ。
もうちょっとぐぃーんと伸びないのかな。
シクラメンは相変わらずいい調子。
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おじさん。中国人のおじさん。
年のころはどうだろうな。50代はじめといったところ。
だが、吉川晃司、阿部寛、唐沢寿明、東山紀之、上川隆也、本木雅弘、仲村トオル…なんかと横に並んで「同級生だよ」って言って「だろうね」となるかと言えば、まあならないことは間違いない。
背は低く、蟹股で、黒縁の四角い眼鏡をかけている。笑わない。孤高。
もう何年もボディコンバットのクラスにいる。
いつも左の隅の鏡の真ん前に陣取っている。
音楽がスタートして全員がファイティングポーズをとり、
ボディコンバットのクラスが始まる。みんなの体が揺れる。
右のジャブ。ジャブ。ジャブ。
左のコーナー鏡前のおじさん。ジャブ、ジャブ、ジャブ。
でもおかしい。みんなと動きがずれている。
音楽的な難しいことは俺にはわかんないので説明がしにくいが、
おじさん、みんなより1テンポだか、半テンポだか、2テンポだが、とにかく動作を早く行うのだ。ジャブもパンチもキックも早くやる。
言っておくが、ジャブがプロボクサー並みに「速い」のではない。断じてない。ただただひたすら、リズムに合っていないのだ。
それがわざとであろうことは察しが付くが、なんのためだかさっぱりわからない。
おじさんが曲によって違う振付(でいいのか?)をみんな覚えてるとするならば、「どうだ、どうだ。俺はてめえら愚民とは違う、インストラクターレベルのコンバッターなんだぜ。みんな俺を目指せ!」というメッセージを表現し続けているともとれよう。
しかし、全くそうではない。とっかかりはしどろもどろなのだ。
それでしばらくあって「はいはい、このパターンね」とでもいいたそげに、例のちょい早のテンポでやり始める。 その意味は何???
そしてそのパンチ、キックにキレがあり、腰もばっちり入ってかっこいいっていうならまだ百歩譲ろう。
しかし、全くそうではない。腰なんか一つも入っていない。手をぶらぶらして、足をぴょこぴょこやっているだけだ。合わせてピョコピョコみぴょこぴょこなのだ。
なんだろう。
どうしてこのおじさんは、音楽に合わせない?
どうしてちょい早で、動作を行うのだ。
どうしてそれがアッパーカットなのだ。それはドジョウすくいだぞ。
オージーのインストラクターは個人指導的なことは一切しない。
おじさんがドジョウすくいをしていようが、おばさんがハワイアンを踊っていようが特に指摘をしたりしない。
一応は「こうするんだ」と例を見せても、その結果みんなができようができまいが放置。
だからおじさんの謎のコンバットは長らく続いているのだ。
リズムよりちょっと早く動いて、わざとリズムに合わせない。
それに何の意味があるのか一向にわからない。
50代くらいの中国人のおじさん。
背は低く、蟹股で、黒縁四角眼鏡。髪もそろそろあやしい。笑わない。孤高。
なかなか奥が深いのだ。
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