毎日のように午後から雨がふる

だらだらと長い文章。ぐえっと感じたらスルーしてください。

毎日のように午後から雨がふる。そう、雨だ。飴ではない。そんなものが降ってたまるか。固形のものならスピードによってはオデコに当たると結構痛いし、間違って水飴なんか降ってきた暁には傘がなければ大惨事になる。ベッタベタだ。ねっばねばのベッタベタ。キリスト教徒でなくてもオーマイガッと口走ってしまう。

今日は場所によっては雹(ひょう)が降ったようだ。そう、雹だ。豹ではない。そんなものが降ってたまるか。赤ちゃん豹ならまだしも、腹を空かせた大人の豹なんかが大量に降ってきた暁にはチャツの街は人間の血の海の地獄絵図になる。べっちゃべちゃだ。べっちゃべちゃのギッタギタ。もはや阿鼻叫喚しか聞こえまい。

何の意味があってこんな文章を書いているか。

文字を扱うもの、つまり「言霊」を操るものとして文字を間違うことは絶対に相成らんという戒めである。メールに「資料」を添付せず「死霊」を添付するのはもはや確信犯だし、「変身お待ちしております」と送って来られたって、ベルトがないから仮面ライダーにはなれないのだ(あれば簡単になってみせる)。

…というような取ってつけたような意味で書いているわけがない。ただ単に、やらなきゃならない仕事に今一歩手を付ける気にならないので「気分転換をしている」といえば聞こえはいいが正確ではない。「逃避中である」といえば聞こえが悪いが正確ではある。よく読んでも読まなくても、時間の無駄。まことにすいません。

師走はみんな忙しい。しかし忙しいときこそ心に余裕を持たねばならぬ。心に余裕を持つには筆を持ち、書に勤しむのが最高である。文字を優雅に操ってこそ、心を広くし、懐を深くし、自己に余裕を形成することができるのである。

あれ、おかしい。俺は大概筆をもっとるが…。

『木曜日は写経の日』心の余裕を生で感じてみるためにも是非お越し下さい。

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以前にアップしたかも

MIXI日記2007年05月19日より転載********************************************

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そういえば、

日本滞在中にこんなことがあった。

乗った特急電車(白のソニック)。

指定席が取れず、あいにく自由席も一杯だったので

デッキに立って音楽を聴きながら本を読んでた。

浅見光彦のでてくる内田康夫のミステリーだ。

ちょっとヤンキーはいってる感じの中途半端にふけている男が携帯で電話しながらやってきて、

そのままオレから1.5mくらいはなれたところに陣取った。

話している声がでかい。

「んだよ…」って感じで目をやると

なんと、社会の窓が全開ではないか。

赤系の下着がアラワになっている。

こ、これは、

言ってやるべきでは…。

これはやはり神がオレにもたらした使命だ。

そう直感した。

そう思うと、最早殺人事件どころではない。

想像してみて欲しいが、

こんなとき、全然知らない人に

「チャックあいてますよ。赤のパンツ見えまくりです」

とは言いにくい。

まあ、パンツが赤いことは言わなくてもいい。

あ、いや、パンツのことも言わなくていいのかもしれない。

とにかく言いにくい。

さあ、どうする、オレ。

さあ、さあ、神がオレを試しておられる…。

とにかく彼がオレを見て、目を合わせてくれることを望んでみる。

そうすれば、アイコンタクトで、チャック全開の案件を伝えることができるじゃないか。

しかし、ヤツは話に夢中で、こっちを見る気配はない。

まったく、人の気持ちが分からないやつだ。

「私の気持ちなんて考えたことないでしょ。」

ほっぺたをはたかれたまま、吉祥寺のバーに置き去りにされたことを思い出す。

人の気持ちは考えるべきだと悟らされた瞬間だった。

あぁ、そんなこと思い出して感慨に耽っている場合ではない。

次の駅が近いというアナウンスが流れる。

降りなくちゃ。

こうしちゃ居られない。

あ、ヤツが携帯を切った。

よし、こっち向け。

ばか、なんで窓の外見てんだよ。

しかもちょっとカッコつけて。

ポッケに両手を突っ込むんじゃない!

余計に下の窓がひろがるじゃねえか!

だめだ、今言わなくちゃ。

すでに電車はホームに滑り込んでいた。

オレは歩を進めて彼にオモムロに近寄っていって言った。

「えっと、チャック、開いてます。」

そしてニッコリ微笑んだ。

大丈夫、気にすんな、という気持ちを精一杯表現した(つもり)のだ。

ドアが開いた。

ヤツがあわててズボンを探っているとき、

オレはきびすを返してホームに下りた。

入れ替わりに子供づれのママたちの集団が

プチ混乱中の男の周りを陣取った(と思う)。

オレは使命を果たした。

とても爽やかな気分だった。

晴れた空がいつもより青い気がした。

と、靴紐がほどけかけているのに気付いて

脇によけ、しゃがんで紐を結ぼうとして気付いた。

ズボンのチャックが開いていた。

RENCLUB/Ren Yano

REN Yano -Japanese Calligrapher gained Australian PR as an artist. In 2010 his work 'place of origin' became a national property of JPN. Also he was conferred Consul-General's Commendation on in 2016.

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