5年前のことになるのか。
最初の工事の説明とまったく違う最低な工事だった。嘘八百。
責任者も耐えられず?2回くらい変ったんじゃなかったっけ?1回だっけ?とにかく最低だった。
テナントのほとんどはこのあと移転した。
しなかったのはこのビルのオーナーの会社とあといくつか。
うちは積極的残留ではなく、移転する金がなかったので仕方なく。
今思うと笑える?が、アパートで一新したはずの空気だったが、どうやら想像以上にパワーのある嫌なものだったようで、新品のテレビは3回も見ないうちにぶっ壊れ、新しいシェアメートも数週間で出て行ってそのあと暫く誰も入ってこなかった。
今は大丈夫。
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書道教室の入っているオフィスビルが窓の総取っ替えと壁の補修工事をするというので、現在教室の窓の向こうには櫓(やぐら)がかけられ、職人さん?がウロウロしている。
見られてるのも嫌なので(お互いに)デスク脇の窓は布で封鎖中。だから机周りが暗闇なんだけど、今朝急に使ってた卓上スタンド(結構お歳)の電気が点かなくなった。買い替え時なのか…。
今日はずーーっと壁を向こうからトントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン叩いている。一体いつになったら終わるのか。いや、果たして終わりは来るのか…。
今日は幸いお稽古がないし、超急ぎの仕事も今のところないのでいいが、忙しさでイライラしているときにこれだと奇声をあげて自らを調節するしかないだろう。二日酔いならなおさらだ。とにかく、めっちゃうるさいのだ。あーうるさい、あーうるさい。
話は変わるが、一昨日は新ベッドがきて、昨日は新TVが来た。できるだけ家の中を刷新して悪い空気に出て行ってもらうのだ。何が悪い空気だったかは知っている人は知っている。
効果?あるにお決まりでしょう。発注した翌日に新しいシェアメート決まったし。これホント。
あそうだ。昨日TV(Panasonic)を配達に来てくれたフィジーとか系のガッツリでっぷりした兄チャン。うちにあったブラウン管使用のでかいTV(SONY)を見ていった。「Oh~~ It's very old... Is it still working?」
まあもう殆ど見なくなったろう奥行のあるズシンと重いTV。俺一人では絶対に抱えられない。こないだ部屋を見に来た日本人のワーホリ(♂)からも「これ動くんっすかあ?」ってバカっぽく言われてムカついたばかりだ。
新しいテレビはネットで買ったんだけど、この会社のいいところは、安いのもあるけど、古い製品を無料で引き取ってくれるところ。この重い箱は一人じゃとても動かせないから捨てられもしない。誰かと二人だったら不可能ではないけど、アパートの階段を腰を痛めずに運ぶイメージは全く浮かばない。だから無料で引き取ってくれるのは本当に有難いのだ。
と、お兄ちゃんが目ざとくリビングの棚に並べてあるNARUTOを発見。そしてスイッチが入る「I read Naruto, too.」。
「新しいの読んだか?俺はインターネットで読んでるんだ。'anime44'に行ってみろ、そこで日本語も読めるぜ。英語も中国語も、ほかの言葉でも読めるんだ。日本の漫画はグレートだぜ!今、ナルトのお父さんが輪廻転生で生き返ってきて、八尾と戦ってる。ナルトのお父さんだよ、ミナトだ。三代目の火影だよ。」
彼の話は尽きない。ちっとも尽きない。長い。長すぎる。そんなの予定にない。さっきはトイレに行こうとしたタイミングで携帯が鳴ったので先にドアを開けにでたのだ。それなのに大蛇丸がどうしたとか、尾獣玉がどうしたとか。ナルトの螺旋丸とサスケの天照がどうたらこうたら…。まあ、よく知ってるわ(漫画って固有名詞(技の名前とか)はそのままなんだな)。俺は57巻までしか持ってないから、その後はどうなってるか分からない。
内心は頼むからもう帰ってくれと思っている(ちょっと内股になってるし)。しかし日本人以外の人物が日本生まれの製品をこよなく愛し、そのへんの日本人以上にこんなに熱くその良さを語ってくれることがあるだろうか。日本人として大いに誇り、彼に感謝して然るべきだ。「小便を我慢してるんだ」などと言えるわけがない。膀胱が破裂してても彼の熱意を受けとめる必要があるではないか。何度もポジションを変えつつ、根性で頑張る。
しゃべるだけしゃべって満足した彼が「どうだ、お前も読みたくなっただろ。シティのキノクゥーニヤで売ってるぞ。新しいのを買えよ。」と言ったんで「日本の漫画のセールスマンみたいだな」と返すと声を出して笑った。
そしてびっくりするような重いTVをフンヌっと抱えてアパートの階段をおりた。アパートを出るまでに3ツも扉があるから、俺は彼の前を歩いて扉を開けてやった。
「今日はどうもありがとう」「おお、ありがとう。また何か注文してくれたら俺が届けに来るからよ。ナルト読んどけよ。あとBLEACHもいいぞ。ブリーチはな…」
彼がまたブリーチについての講釈を始めそうだったので、停めてる車は大丈夫なのか、と思考の矛先を変えさせた。膀胱を破裂させるわけにはいかない。大事な膀胱だ。
「そうだったな」とニヤリと口元を上げ、地面に下ろしていた重~い塊を渾身の力でうりゃっと持ち上げて、そのままウスっという音が聞こえる感じでモリッとした右肩に乗っけた。
それを見て「おお、すげえ」と俺が思うか思わないかのタイミングで「ブォーーーっ」っていう爆発音が鳴り響いた。空気が揺れた。
屁だ。お兄ちゃん、力も凄かったけど、屁もキョーレツ。「Ha ha ha!! Sorry!」お兄ちゃんはそう豪快に笑ってゆさゆさ揺れながら車の方へ帰っていった。
あまりのことに尿意が去ったようにも思えたが、実際はそんなことはないので俺もソッコーで部屋に戻った。
ああ、トンテンカン、まだ続いてる。仕方ないことだとわかってても勘弁して欲しいよ。こんなときはもうビール飲みに行っちゃえばいいんだけどね。
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