象アザラシ

シドニーはもう午前１時。今さっき帰ってきた。最近ずっとこんな調子。それはまあいい。

チャツウッドから電車にのると、入口脇の長椅子にオージーの若者が、遠泳で疲れきってなんとか上陸できた象アザラシのように横たわっていた。そして、床にはその口から噴射したに違いないもんじゃ焼きが少し早い花火大会のように散っていた。完全に意識を失っているこの男、一体どこまで乗っていくんだろう。もしかしたらすでに降りる駅を通過しているかもしれない。目が覚めてもこの醜態じゃ気の毒だな。しかしなんだこの図体のでかさは…。と思っているうちにローズビルについた。