坂井さん、亡くなっちゃいましたね。とても残念です。
ご冥福をお祈りいたします。
ええっと、
ちょっとびっくりしたことを書きます。
時は夕刻、晩飯時。
秋深いシドニーのその時刻はもう寒いです。
仕事を終えて帰ってきたオレと、
ウチにいたシェアメートのToday子さんとで
夕飯の準備をしました。
チャーハン、味噌汁、そして手作りギョーザ。
テキパキと作業をこなし、間もなく完成。
(オレも餃子くらいならつくれるのさ)
そこへ、仕事を終えたシェアメートNumber.8が帰宅。
リビングのテーブルの上にガスコンロをセットし、
フライパンを乗っけて、焼きギョーザにすることにしました。
チャーハンや、味噌汁、その他諸々テーブルに並べ、
あとはギョーザを焼くばかり。
アブラをひき、餃子を乗せ、ふたを。
そしてちょっと置いてから周囲に水をひと回し…
と、どうでしょう。
じゅわわわ~~~っ
という威勢のいい音を立てて
湯気が昇り龍のように舞い上がります。
これぞ、焼きギョーザの醍醐味!!
と、どうでしょう。
勢いがつきすぎたのか、
ドラゴンの鼻先が、煙探知機を直撃!!
キィ~イャッ
キィ~イャッ キィ~イャッ
<strong>キィ~イャッ キィ~イャッ キィ~イャッ</strong>
<strong>キィ~イャッ キィ~イャッ キィ~イャッ キィ~イャッ</strong>
「「寝た子を起こす」とはこういうことか…」
オレは唖然として天井を見上げます。
どこまでも響き渡る物凄い機械音が、
我が家のリビングの天井を中心として四方八方に広がります。
「駄目だ、終わった。水が出る…。」
キッチンを大洪水に陥れたNumber.8の記憶が
一瞬にして鮮明に脳裏に浮かび上がります。
俺ら二人はその場から動けませんでした。
と、どうでしょう。
「<strong>うりゃ~っ</strong>」
という声とともに、<strong>バンッ</strong>という音がしました。
Today子さんがリビングからベランダに通じるドアを
蹴破ったのです。
そんでもって、
もンの凄い勢いで
わめき散らかしまくっている探知機君に
風速200mはあろうかという強風を送ります。
バショウ扇を持った牛魔王にも匹敵するほどです。
俺ら二人はあまりのことに口もきけず。また
その場からも一歩も動けませんでした。
と、どうでしょう。
Today子さんの送り込んだ猛風にビビッたのか、
探知機の野郎が泣き止んだではありませんか。
「嗚呼…」
これで管理人も消防車も来ない、とホッとして
彼らになんて説明したらいいかと気が遠くなりそうだったオレは漸く搾り出すように声を出しました。
晩秋の夜の水浴びと、大惨事後の辛い後片付けを免れたことに安堵したのか、Number.8も半ば放心状態です。
「<strong>その機械、ちゃんと作動するんですね</strong>。」
その声に俺らがハッと振り向くと、
Today子さんがすでにテーブルに着いて、
味噌汁片手に、ギョーザにかぶりついていました。
(おいっあせあせ(飛び散る汗))
「<strong>あ、大丈夫。焼けてますよ。」</strong>
(そこかよっあせあせ(飛び散る汗))
立て付けの悪いリビングのその戸を
普段はトントンって叩いて、
「う~ん、あかな~いちっ(怒った顔)」
なんつってたあの姿は、マボロシ…
女は強し。
男はだらしなし。
どうもすんません。
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