火鍋屋

チャツウッド駅ビル(っていうのか?)の火鍋屋に友人らと行ってきた。

先々週、その手前のファンシーな甘いもの屋に行くことになったときに、「こんなところに火鍋屋が…」と目星をつけておいたのだ。

5時の開店と同時くらいに入ったので店内に客の姿はないが、あっという間に満員になる。予約していなかったので個人用鍋の席しかなかったが、今度はでかい鍋で食いたいものである。

さて、何人かで食事に行く場合、優れた注文能力の持ち主が必ずいる。経験上彼らに任せるのが一番間違いがないので俺はほぼほぼ何もしない。「嫌いなものが出てきたらどうするの」と聞かれるが、嫌いなものなら食わねばよい。

というわけで何を注文したのかはっきりはわからないまま運ばれてくるのを待つ(この間にタレを調合にゆかねばならない)。

と、なんとも斬新なコーディネートでリカちゃん人形風のお嬢さんが運ばれてきた。豚の薄切り肉を身にまとっている。

うーん、非常に悔しいが心をグッと鷲掴みにされた。今年一番の掴まれ具合である。細い両手で肉片を差し出しているのが素晴らしい。しかもこの表情…口がうっすら開いているのにも恐れ入った。片手を腰に、もう一方で肉を高々と天に突き上げているバージョンはないものか…。

一通りの写真撮影の後、満を持して?友人が一枚一枚肉を脱がせる。

いやもちろん、できればこんなことはしたくない。うら若き乙女の身の纏(まとい)を、こんな公衆の面前で奪っていく友人の行為には良心の痛みも感じなくはない。しかしそれを止めるには俺はまだまだ力不足だ。

隠しておきたいだろうお嬢様の秘密が露(あらわ)になっていく…

っておいっ、

露すぎるわ!!!

腰から下、切断されとる!!

そんで、木工用ボンドで透明のボウルに接着されとるやん…

下半身は一体どこに???

そんで、こんな姿でキッチンに何体拉致されてとるん???

ピクチャープリーズ!!!

という話。

スカートを剥ぎ取った?あと、みんな遠慮して”胸”の肉を脱がさないから、

しかたなく俺が正面から箸で優しく外してやる。

ふと視線を感じてその方向に目をやる。

はす向かいのテーブルの中国人ファミリー。

その一番端に座っている中学生(だな)の男子が、その口を半開きにして俺を見ていた…。

RENCLUB/Ren Yano

REN Yano -Japanese Calligrapher gained Australian PR as an artist. In 2010 his work 'place of origin' became a national property of JPN. Also he was conferred Consul-General's Commendation on in 2016.

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