人間正直が一番だという。
字をみればわかる。
純粋な心で書いた字は美しい。異存はなかろう。
正直が一番なのだ。正直だぞ、掃除機ではない。
掃除機な正直は存在しえず、
正直な掃除機も存在しえない。
そんなことはどうでもいい。
とにかく、ひたすら純粋に心を保つ。
それが美しい字を作り出す。
疑うことなど、決してないし、してはならぬ。
今朝のこと。
今日の『写経&クリスタルボールヒーリング』のために、
正直な俺は朝から掃除機で教室を掃除をしていた。
そうじきでそうじするしょうじきな俺はじょうしきてきですてき。
おお、いいじゃないか。ふふふ。
その俺が、その俺がだな…
う、疑った。疑ってしまったのだ。嗚呼。
そうそれは 突然に、そうそれは 段階的に、
ソーソレファ ミレド、ラソラシド。(着地失敗)
先ずはおのれの鼻を。
次におのれの耳を。
そしておのれの目を じゅんぐりに疑っていった。
ウィーン、ウィーンウィーン
左右に広がった掃除機の鼻を軽快なリズムにのせてカーペットの上で前後運動させていた俺は俺自身の鼻の奥に不穏な空気を感じた。「焦げ臭い」
ルームコロンはばっちりのはずだし、アロマオイルも効いているはず。
いやでもでもでもでもヘンな臭いがするのはどうして…
ほんの少し自分の鼻に疑いをもつ。
ウィン、ウィンウィーン
「あれちょっと弱くなったかな。」
音の異変にうっすらと耳を疑いながらも手を止めなかった俺の後方から勢いよく襲いかかる爆発音。ババババババババ、バ、バカドンッ!!!
俺は完全に両の耳を疑った。存在しないはずの音が両耳の鼓膜を強く震わせる恐怖、ご存知?
ウィーンウィーンの音はもうどこかへ消えている。
教室はとてもしんとしていた。本が音を全部吸い取ってしまうのだ。
それでは本に吸い取られた音はいったいどうなるのだろう?もちろんどうもならない。(というフレーズで村上春樹の「図書館奇譚」が思い浮かぶ人がいたらどうもありがとう)
恐る恐る振り向いた俺の視覚が捉えたものは、もくもくとした煙とも埃ともつかぬ白濁した空気をまとった、腹部パーツが本体から飛び出てあっちをむいた掃除機。もくもくもく。
なんじゃこりゃー。
俺はこの目を疑った。もくもくもく。
どんなに大げさに疑ってみても、目の前の掃除機の状況は一向に変わらなかった。それは掃除機と二人三脚で部屋掃除しているつもりだった俺の心をぎゅーっと押して悲しくさせた。一人ぼっち。
舞い降りる埃は冷たく覆う雪のようでもあった。
そして再確認する。
世の中は甘くない。純粋には生きていけないのだ。
掃除機でさえ、疑いの卵を産む。
吸ってるだけかと思いきや、産み落としやがる。
掃除機はやっぱり正直たりえなかった。
ヤツを前に唄った。
粉雪 ねえ、こころまで白く染められたなら
二人の孤独を分け合うことができたのかい?
粉雪 ねえ 永遠を前にあまりにもろく
ざらつくカーペットの上シミになってゆくよ
粉雪 ねえ 時に頼りなく心は揺れる
それでも僕は君のこと守り続けたい
いや、ごめん。
もう無理。
何の話だよ。。。レミオロメン。。。
と、いうエピソードがあり、
その後もこまごまとした神々の悪戯をのりこえて、
無事にイベントを終えることができた。
本日いらしてくださった皆さん、ありがとうございました。
企画してくださったAyako Nakanoさんありがとうございました。
すばらしい演奏をしてくださったKazumi Kobayashiさんありがとうございました。
収録をお手伝いくださった和みの間のたまきさんありがとうございました。
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また楽しそうな企画があったらやりましょう。
よろしくおねがいします。
粉ーーっ雪ぃー ねえ。。。
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